黙々とハンバーグを食べていたら、蓮が志望校シートを見ながら言ってきた。
将来の夢か…考えたことなかったな。いや、考えても意味ないからあえて考えなかったのか。
「春斗はさ！医者になりなよ！」
芽依が僕にいきなり変なことを言ってきた。
僕に将来なんてないこと忘れてるのか？
「あははは、無理だよ医者なんて」
蓮がいるので僕は苦笑いをせざるを得ない。すると蓮が、芽依に続いて、
「確かに。春斗、医者になれよ。俺は向いてると思うぜ」
蓮まで何言ってんだ。と思ったが、蓮には話してなかったんだったな。だから、こう返した。
「蓮までなんなんだよ、無理だって」
僕の話をこれ以上されるのも嫌だったので、今度は僕が蓮に聞いてみた。
「そういう蓮はどうするんだ？」
「まだ決まってないけど。多分、普通の大学行って、普通に就職して、普通に結婚して、普通に歳をとるんだろうなぁ｣