「僕の父さん……僕の治療費を稼ぐために出張でずっと遠くにいて、今日久しぶりにあってきたんだ。母さんは定期的に会いに行ってたけど、僕はずっと気まずくて父のことを避けてきたんだ…」
彼女のことを全く考えないで僕は全部を話していた。それは彼女がいつになく真面目に聞いてくれたせいでもあるだろう。聞き終えたあと彼女が、
「なんで気まずかったの?」
ストレートにそう聞かれた、
「父さんにずっと恨まれてる気がして」
「どうして?」
彼女は面接みたいに聞いてくる。僕はそれに答えるように、
「僕の病気のせいで家族が壊れた、僕はずっとそう思ってた」
「でもさ、違ったんでしょ?なら良かったじゃん。それにさ、親が子供にそんなこと思うわけないじゃん」
彼女はまるで自分に子供がいるかのようにそう言った。