「え……?」
「右腕、あまり動かせていないみたいだったから。怪我をしているのかなって」
私が問い詰めると、船瀬くんの顔色がだんだん青ざめていく。どうやら図星らしい。
「ち、ちがいますよ……これは、ちょっとバイト中にぶつけたんです」
「え、大丈夫なの?」
「はい、ただの打撲です」
佐野さんが心配そうな顔をした途端に、船瀬くんは慌てて誤魔化した。何か隠しているようだが、これ以上踏み込めば不審に思われるかもしれない。
「そっか。ごめんね、変なこと聞いて」
「いえ、ご心配ありがとうございます。……井浦先輩は気配りさんですね」
「へ?」
「だって、僕が怪我をしていることは誰も気づかなかったんです。些細なことに気を遣える人ってすごいと思います」
船瀬くんがこちらの意図など知らずに、尊敬の念を込めた満面の笑みを浮かべる。なぜか騙しているような気がして罪悪感が拭えない。すると、今度はなぜか佐野さんが船瀬くんの怪我をしていない左手を取って大きく振った。
「だよねだよね! いやぁ、一年生ながらもわかってるねぇ!」
「え!? あ、あの、佐野せんぱ……」
「船瀬……ううん、淳太、アンタ良いよ! 人の良いところを口に出して言えるその素直さ、私も欲しい!」
もう充分持っている気がする。
「えっと……?」
「ああ、ごめんね。感動しちゃうと人を置き去りにしちゃう癖があってね。でもそのおかげで井浦ちゃんと仲良くなったんだけど!」
「はぁ……」
「だからきっと、アンタとも仲良くなれる気がする。困ったことがあったら言ってね。できることは助けるからさ!」
「……心強いです、ありがとうございます」
「右腕、あまり動かせていないみたいだったから。怪我をしているのかなって」
私が問い詰めると、船瀬くんの顔色がだんだん青ざめていく。どうやら図星らしい。
「ち、ちがいますよ……これは、ちょっとバイト中にぶつけたんです」
「え、大丈夫なの?」
「はい、ただの打撲です」
佐野さんが心配そうな顔をした途端に、船瀬くんは慌てて誤魔化した。何か隠しているようだが、これ以上踏み込めば不審に思われるかもしれない。
「そっか。ごめんね、変なこと聞いて」
「いえ、ご心配ありがとうございます。……井浦先輩は気配りさんですね」
「へ?」
「だって、僕が怪我をしていることは誰も気づかなかったんです。些細なことに気を遣える人ってすごいと思います」
船瀬くんがこちらの意図など知らずに、尊敬の念を込めた満面の笑みを浮かべる。なぜか騙しているような気がして罪悪感が拭えない。すると、今度はなぜか佐野さんが船瀬くんの怪我をしていない左手を取って大きく振った。
「だよねだよね! いやぁ、一年生ながらもわかってるねぇ!」
「え!? あ、あの、佐野せんぱ……」
「船瀬……ううん、淳太、アンタ良いよ! 人の良いところを口に出して言えるその素直さ、私も欲しい!」
もう充分持っている気がする。
「えっと……?」
「ああ、ごめんね。感動しちゃうと人を置き去りにしちゃう癖があってね。でもそのおかげで井浦ちゃんと仲良くなったんだけど!」
「はぁ……」
「だからきっと、アンタとも仲良くなれる気がする。困ったことがあったら言ってね。できることは助けるからさ!」
「……心強いです、ありがとうございます」