それにしても困ったものだ。
袴田くんが見えるからといって、授業中さえ静かにしてくれるなら大した問題ではない。屋上に来ていることを考えたら、あの机に張り付いているわけでもなさそうだ。
問題は、なぜ彼がここに戻ってきたのかということ。
学校に何か思い入れがあるのかもしれないし、もっと喧嘩をしたいという不満からかもしれない。
はたまた、中身はともかく容姿だけは良い彼だ。彼女がいてもおかしくはないだろう。最後に会いたくて戻ってきた可能性も捨てきれない。
それか本当に、自分を殺した人物を道連れしに戻ってきたのか。――学校に現れている以上、その人物は北峰の生徒なのか。
いくつもの仮説を考えても、私にはどれもしっくり来なかった。袴田くんについて何も知らないからだろうか。
一人で唸っていると突然、校舎に繋がる扉が音を立てて開かれた。微かに言い争っているような声が聞こえる。面倒ごとには巻き込まれたくないなぁ。
私が急いで給水タンクの後ろに隠れると、不思議そうな顔をしながら袴田くんもついてくる。現時点で私以外の人には見えてないんだから、そこにいればいいのに。『隠れる必要ある?』と聞いてくるのを流して、タンクの影からそっと様子を伺うと、扉からわらわらと誰かが出てきた。
袴田くんが見えるからといって、授業中さえ静かにしてくれるなら大した問題ではない。屋上に来ていることを考えたら、あの机に張り付いているわけでもなさそうだ。
問題は、なぜ彼がここに戻ってきたのかということ。
学校に何か思い入れがあるのかもしれないし、もっと喧嘩をしたいという不満からかもしれない。
はたまた、中身はともかく容姿だけは良い彼だ。彼女がいてもおかしくはないだろう。最後に会いたくて戻ってきた可能性も捨てきれない。
それか本当に、自分を殺した人物を道連れしに戻ってきたのか。――学校に現れている以上、その人物は北峰の生徒なのか。
いくつもの仮説を考えても、私にはどれもしっくり来なかった。袴田くんについて何も知らないからだろうか。
一人で唸っていると突然、校舎に繋がる扉が音を立てて開かれた。微かに言い争っているような声が聞こえる。面倒ごとには巻き込まれたくないなぁ。
私が急いで給水タンクの後ろに隠れると、不思議そうな顔をしながら袴田くんもついてくる。現時点で私以外の人には見えてないんだから、そこにいればいいのに。『隠れる必要ある?』と聞いてくるのを流して、タンクの影からそっと様子を伺うと、扉からわらわらと誰かが出てきた。