ある事故で帰らぬ人となってしまった「最強の不良」――袴田玲仁。
 死んでしまってはどうしようもないと、当時隣の席だった私は彼のことなどどうでもよかった。所詮は赤の他人で、あまり関わっていない人物だったからだ。
 そんな冷めた目でいた私は今――。

『そういえばこの間、テスト監督のセンセーのヅラを動かして、井浦に向かって蛍光灯の光が反射するようにしたんだ。気付いたか?』
「……さすがにテスト中は無理だよ」

 あろうことか、死んだ彼に付きまとわれている。