「――分かりました。では後日、そのドライブレコーダーを提出してください」
紺色のスーツを着た、優しい顔立ちをしている男性だった。提出するように言ったことから、きっと警察関係者なのだろう。袴田くんと岸谷くんは驚いた顔をして固まっている。
「し、しかし! 彼らはここらで有名な不良で……」
「先程、引き取った二人が自供しました。二人はある事件の被害者で、復讐の為にバスジャックした乗客を人質にしようと考えていました。彼らとは面識はあるもの、たまたま居合わせただけだと言っています」
「そう……言ったんですか?」
「ええ。私には庇っているようには見えませんでした。今までのことを踏まえて捜査するのも構いませんが、もう少し冷静に、視野を広げてみるべきだと思います」
スーツ姿の男性が微笑みながら言うと、警察官が萎縮して動揺の声を漏らした。
「それでは、彼らからは私が話を聞きましょう。あなたは乗っていた客の話を聞いてください。……さぁ、行こうか」
男性にされるがまま、少し離れた場所まで移動する。終始無言だった二人の様子が気になっておろそろしていると、ようやく二人を解放して向き合った。
「久しぶりだね、二人とも」
「え?」
「……か、片桐さん?」
岸谷くんが懐かしそうに頬が緩んだ。袴田くんは未だに驚いた顔をしている。
「覚えていてくれて嬉しいよ、隼人。玲仁は……忘れてるかな?」
「わっ……忘れてねぇよ!」
「本当か? あの時は肉まんにし眼中になかっただろー?」
「うるせぇ! さすがに覚えてるっつーの。ただ……また会えるとは思わなかったからさ」
紺色のスーツを着た、優しい顔立ちをしている男性だった。提出するように言ったことから、きっと警察関係者なのだろう。袴田くんと岸谷くんは驚いた顔をして固まっている。
「し、しかし! 彼らはここらで有名な不良で……」
「先程、引き取った二人が自供しました。二人はある事件の被害者で、復讐の為にバスジャックした乗客を人質にしようと考えていました。彼らとは面識はあるもの、たまたま居合わせただけだと言っています」
「そう……言ったんですか?」
「ええ。私には庇っているようには見えませんでした。今までのことを踏まえて捜査するのも構いませんが、もう少し冷静に、視野を広げてみるべきだと思います」
スーツ姿の男性が微笑みながら言うと、警察官が萎縮して動揺の声を漏らした。
「それでは、彼らからは私が話を聞きましょう。あなたは乗っていた客の話を聞いてください。……さぁ、行こうか」
男性にされるがまま、少し離れた場所まで移動する。終始無言だった二人の様子が気になっておろそろしていると、ようやく二人を解放して向き合った。
「久しぶりだね、二人とも」
「え?」
「……か、片桐さん?」
岸谷くんが懐かしそうに頬が緩んだ。袴田くんは未だに驚いた顔をしている。
「覚えていてくれて嬉しいよ、隼人。玲仁は……忘れてるかな?」
「わっ……忘れてねぇよ!」
「本当か? あの時は肉まんにし眼中になかっただろー?」
「うるせぇ! さすがに覚えてるっつーの。ただ……また会えるとは思わなかったからさ」