駅前に新しく出来たカフェはこじんまりとしていたが、窓枠に小さな花が添えられていて、細部までおしゃれだった。
「桜、もうケーキ食べ終わっちゃったの?」
まだショートケーキが半分以上残っている琴乃が、私の空っぽになったお皿を見て驚いていた。
「ほんと、桜って昔からショートケーキ好きだよね。しょうがないから私のちょっと分けてあげるよ」
「いいの!ありがとう」
私は琴乃の言葉に甘える。
「あれっ、琴乃と桜じゃん。二人もここ来てたんだ!」
少し離れたところから、聞き覚えのある声が降りかかって来た。声の方に顔を向けると、店の入り口のところで同じクラスの光咲と彩夏と笑美が手を振っていた。
「最近できたって聞いて。みんなも?」
私たちのもとへ近寄って来た三人に琴乃が訊ねる。
「そう、そう。かわいいって学校で噂になってたから来てみたかったんだよねー」
「っていうかさ、琴乃がこういうお店来るのはわかるけど、桜ってイメージないから意外」
「それな」
「二人っていつも一緒にいるよね?」
「桜とは小学校のころからずっと一緒なの。中学の時は部活も一緒だったし、修学旅行もいつも同じ班だったんだ。ほら、これ」
琴乃は中学校の修学旅行の時にお揃いで買った京飴ストラップを見せびらかした。
琴乃は誰とでも仲良くなれるが、そうでない私は気さくに話すが出来ず、みんなの話にひたすら意味のない頷きを返していた。
「この写真は、小学生の時に行ったテーマパーク。全身おソロコーデで行ったんだよねー」
「ほんとだ!なんか本当の姉妹みたいだね」
もう完全に三人も私たちに合流する形になっていた。
「お揃いと言えば、彩夏と琴乃のスクバも同じだよね」
え?
美冬の言葉に二人の鞄を見比べる。革製で茶色がかった角の取れたスクールバッグだ。同じように見えなくもないが似ているものだってたくさんあるから、全く同じものだってことには気がつかなかった。
「あ、これね。先月の『honey teens』に載ってたやつ。一目ぼれして買っちゃった。琴乃は?」
「私も全く同じ」
あれ、何だろうこの感じ。会話に入っていける余地が全くない。
それに、琴乃と一番趣味が合うのは私だって思ってたのに。
「桜、もうケーキ食べ終わっちゃったの?」
まだショートケーキが半分以上残っている琴乃が、私の空っぽになったお皿を見て驚いていた。
「ほんと、桜って昔からショートケーキ好きだよね。しょうがないから私のちょっと分けてあげるよ」
「いいの!ありがとう」
私は琴乃の言葉に甘える。
「あれっ、琴乃と桜じゃん。二人もここ来てたんだ!」
少し離れたところから、聞き覚えのある声が降りかかって来た。声の方に顔を向けると、店の入り口のところで同じクラスの光咲と彩夏と笑美が手を振っていた。
「最近できたって聞いて。みんなも?」
私たちのもとへ近寄って来た三人に琴乃が訊ねる。
「そう、そう。かわいいって学校で噂になってたから来てみたかったんだよねー」
「っていうかさ、琴乃がこういうお店来るのはわかるけど、桜ってイメージないから意外」
「それな」
「二人っていつも一緒にいるよね?」
「桜とは小学校のころからずっと一緒なの。中学の時は部活も一緒だったし、修学旅行もいつも同じ班だったんだ。ほら、これ」
琴乃は中学校の修学旅行の時にお揃いで買った京飴ストラップを見せびらかした。
琴乃は誰とでも仲良くなれるが、そうでない私は気さくに話すが出来ず、みんなの話にひたすら意味のない頷きを返していた。
「この写真は、小学生の時に行ったテーマパーク。全身おソロコーデで行ったんだよねー」
「ほんとだ!なんか本当の姉妹みたいだね」
もう完全に三人も私たちに合流する形になっていた。
「お揃いと言えば、彩夏と琴乃のスクバも同じだよね」
え?
美冬の言葉に二人の鞄を見比べる。革製で茶色がかった角の取れたスクールバッグだ。同じように見えなくもないが似ているものだってたくさんあるから、全く同じものだってことには気がつかなかった。
「あ、これね。先月の『honey teens』に載ってたやつ。一目ぼれして買っちゃった。琴乃は?」
「私も全く同じ」
あれ、何だろうこの感じ。会話に入っていける余地が全くない。
それに、琴乃と一番趣味が合うのは私だって思ってたのに。