桜の幹にもたれかかって寝ている私のことを誰かが起こす
「ん?」
ゆっくりと目を開ける目の前には青年が立っていた
「えっと私に何かよう?」
「話をしようと思って」
「話?」
「そう話大丈夫すぐに終わるさ」
「なんの話よ」
「この桜の話だよ」
「桜?」
私は上を見上げる
「あ、この桜私が夢で見た桜」
「この桜は僕ら兄妹のことを待っている」
「てことはあなたが昨日夢に出てきた男の子」
「そうだね」
「ならあなた達が行けばいいことじゃない」
「僕ではダメなんだ」
「ダメってどうしてよ」
「だから君にお願いしたいこの桜を見つけて欲しい」
「見つけて欲しいって言われたってどうやって」
「桃華~ごはんできたよ~起きなさ~い」
目を開ける、夢っか昨日に続き変な夢を見たでもなんだか夢な気がしない一様探してみるか私はスマホで『桜近く』と検索してみたが出てこないこれで出たらお願いされないしな~お婆ちゃんに聞いて見ようかな私は朝食を食べに部屋を出た先に朝食を食べてたお婆ちゃんとお母さんに挨拶して私も食卓につく
「ね~お婆ちゃんこの近くに桜ってあるの」
「そうさね~昔はこの辺も桜があったんだろうけど今はもうないね~」
「そっか~」
「ね~お母さんのお兄ちゃんってどんな人だったの?」
「優しい人だったよ優しくて真面目で意志が強い人だった約束事はからならず守る人だったよ」
「会ってみたかったな~あ、お母さん桜について何か知ってる?」
少しお母さんの体が揺れた気がした
「どうして桜について聞いてるの?」
「いや~変な夢見ちゃってさ~」
「夢なんてすぐに忘れちゃうわよ」
「でもなんか鮮明に覚えてるんだよね~」
「あ~そうだ昔、お義父さんがうちの山に桜の木が1本だけ残ってるって言ってたはね~」
母と私の会話していると私が1番欲しかった情報をお婆ちゃんが突然言い放つ
「え、お婆ちゃんもう一回お願い何て言ったの?」
「昔ねお義父さんがうちの山に桜の木が1本だけ残ってるって言ってたよでもホントに昔の話よ、花や陽太郎が幼い頃よ今も残ってるかわからないは」
「お母さんと伯父さんが幼いころね~」
私は夢の青年が言っていたことを理解しつつあるなんで青年ではダメなのか私はなんとなくわかった
「行きたいその山に行きたい」
「ダメよ危ないは」
「じゃ~お母さんも来てよそれならいいでしょお母さんが止めても私は行くよ」
「ハァ~もうしかたがないはね1人で行かれるより私も行くはよ」
「じゃ~明日行こ今日は明日に備えて買い物しに行く」
「はいはい」
お母さんの車でいろいろな物を買って回った
飲み物に食べ物にヘルメット、スコップなどなど家に帰る頃にはすっかり真っ暗で晩御飯を食べた後は明日に備えて用意をしたらすぐ寝ようと思う
持ってきたバッグをひっくり返して買ってきたものを詰め込む持ってくものの用意はこれでいいかな、さてそろそろ寝よう布団に潜ってもなかなか寝付けない心臓がドキドキするなんだか特別な気分がするぬいぐるみを抱いて目をつぶるきっと眠れるはずだから……
「また会ったね陽太郎さん」
「また会ったね」
「今日は桜の所じゃないんだ」
お婆ちゃん家の前に私達はいる
その時後ろから女の子と男の子の会話が聞こえる
「お兄ちゃん早く行こ~」
「待てって花」
「やっぱりあの女の子お母さんだったんだね」
二人は私達の横を走ってとおりすぎていった
「僕達も後を追うか」
陽太郎が走り出したのにあわせて私も走り出す陽太郎が桜の場所を教えようとしてくれてるんだずっと山道を走ってるのに不思議と疲れた感じはしないこれが夢だからかな走って数分私達は拓けた場所に出た中央にはあの桜の木がある
「お兄ちゃん早く早く」
「待てって花」
二人は桜の下に穴を掘っている
「タイムカプセルを埋めようとしてるんだ花が二十歳になったら取りに来ようって話になってたでも」
「陽太郎は死んじゃったんでしょ」
「うん」
「約束事を守りたかったから娘の私を呼んだの?」
「うん」
二人はタイムカプセルを埋め終えて一息ついているようだ
「タイムカプセルを一緒に取りに来れなかったってことなのあなたのお願いって?」
「いやタイムカプセルもそうだけどもう一つあるんだ」
空が回りだす朝と夜を何度も繰り返す
高校と中学の制服を着た二人が桜の木の下で話をしている
「私お兄ちゃんのことが好きなの」
「それはできないことだよ」
「どうしてなの」
「どうしても無理なんだよ」
「もう知らない」
花はどこかに走り去っていってしまった
陽太郎は花を見送っり何か考える仕草をしたあとポケットから箱とスコップを取り出して箱を埋めた
「あの箱の事?」
「うん、どうしても渡したかったんだ、だからお願いしたい僕はここでこの木と待ってるから」
「わかったよ」
私は陽太郎に笑いかけた
目を開けるもうそろそろ日が昇りそうだ顔を洗い深呼吸をする
「あら桃華早いわね」
「うん行こお母さん私桜の場所わかるから」
「わかるってどうして」
「陽太郎が教えてくれた陽太郎がお母さんのこと待ってるから早く行こ」
「お兄ちゃんが桃華なに変なこと行ってるの」
「行けばわかるよお母さん行こ」
お婆ちゃん家で朝ごはんを食べるのも今日で終わりか少し寂しい
「お婆ちゃんありがとうまた来るね」
「いつでも来なさい」
やっぱりお婆ちゃんの声は慈愛と寂しさを感じる
「うんまた来るね」
扉をくぐり外に出る、玄関まで見送りに来てくれたお婆ちゃんに手をふり車に乗り込む昨日みた夢の通りにお母さんに道を教えるでもお母さんはなんで忘れてしまったのだろうか桜なんて知らないってほんとに知らないのかな車で桜の直前まで来たけど山道を足で登らなければ桜のところまでは行けない
「お母さん早く」
振り向いてお母さんを急かそうと声をかけたけど様子がおかしい
「お母さん大丈夫?」
お母さんの目が少し潤んでいる
「行くよお母さん」
お母さんにの手を握って走り出すそうして走ること数分拓けた場所についた夢で見たあの場所だ
「どうお母さん思い出した?」
「忘れたわけではないのでも」
お母さんの目から涙がすうてき垂れた
「でも受け入れたくなくて忘れようとしてた」
お母さんがうちあけはじめたけどそんなの今は大事じゃない私は約束をお願いを果たすために桜の下を掘りはじめた、すぐにタイムカプセルと箱が出てきたお母さんに箱の方を渡す
「陽太郎からだよ」
お母さんが箱を開ける中から出てきたのは指輪がついたネックレスと手紙
「手紙読んであげな陽太郎は見てくれてるよ」
お母さんが手紙を読みはじめるお母さんの目から涙が流れてくる
「陽太郎これでお願い叶えられたかな」
私は満開の桜に目を向けながら呟いたそのとき強い風が吹いて桜が舞い散る
桜の花びらが風に溶けるように消えていった私は桜の木を眺めるそこには枯れて数年がたったであろう木がたたずんでいた
「目印としてずっとここで頑張っていてくれたんだねありがとう」
私は声をかけるさて、お母さん帰ろっか泣いている母の肩に手を置く
「そうねそろそろ帰らないと日がくれるわね」
私達は山を降りた母の顔はどこかすっきりとしていた手紙の内容については私は知らない知らなくていいだってあの手紙は陽太郎のお母さんに対する本当の気持ちの返答だからやっと届いた文だから私は関わらなくていい今は車に揺られて家に帰るところだ今日は少し疲れたまたウトウトしてきた……
「ありがとう桃華」
「約束守れてよかったね陽太郎」
陽太郎の体がすけてきた
「もう一度言うよありがとう桃華」
「ううん」
私は首を横にふる
「だってあなたは私だもの」
「そろそろ起きなきゃだ」
陽太郎が私の体に溶け込んでくる
世界は繋がっているそう私は感じた