「んぁ」
突然耳をつんざく電子音に驚き変な声が出てしまった、今日から休みなのに目覚まし時計をかけたままだった、あ~私のうっかりミスせっかく気持ちがいい夢だったのに…もう一度寝ればまだあの夢の続きがみれるかも慌てて目覚まし時計を止め布団に潜り込むが
「ももか~そろそろ起きなさ~い」
どうやら夢の続きは見れないようだ
「はーい、今行きまーす」
階段をかけおりリビングの扉を開ける
「な~にお母さんこんな朝早くに呼んで」
まだ眠い目を擦りながら質問したが返ってきたのは笑い声だった
「なんであんた制服着てんのよ今日から夏休みでしょ」
「こ、これはちょっとあってそんなことよりなんでこんな朝早くに呼んでどおしたの」
慌てて話題を変えたが少し恥ずかしさで顔をが赤くなり顔をそらした
「そうそうお婆ちゃん家に行こうと思ってね制服さっさと着替えて支度してらっしゃい」
「あ~伯父さんの命日」
「今年は桃華も連れてこうと思って2日は向こうに滞在するから必要な物はしっかり持ってきなさい」
「はーい」
返事もそこそこ私は階段をかけ登り自室に戻る、押入れにしまったボストンバッグを引っ張りだし服やら枕やらを適当につめていくよしこれで持ち物は完璧…あとは服装だ制服をベットの上に脱ぎ捨て買ったばかりの白いワンピースを着るこれで服装もバッチリ、ベットの上に置いてあるぬいぐるみを持って一階に降りる
「お母さん準備できたよ」
「先に車乗っててくれる」
「はーい」
お母さんから鍵を渡されて玄関に向かいドア開けて外にでる。
空は青く雲はなくどこまでも続いている…夏だな~夏、夏を謳歌しようそう心に誓った私は深呼吸をして車の鍵を開け後部座席のドアを開けて乗る
「お待たせ~」
「はい鍵」
母さんが渡された鍵を刺して回す、車のエンジンが動き始めた振動で少し体が揺れはじめる
窓を開けて外の景色を眺めていると車が動き始める。
こんな景色だったかな、いつからかこんなにビルとかホテルとかマンションとかが建ち並ぶようになったのかなゆっくり外の景色を見るのは久しぶりのことだな…
「たぶん三時間ぐらいでつくと思うよ」
少し遠いのかお婆ちゃん家、小四のころに一度だけ会いに行ったぐらいかな考え事をしているうちに高速にのり景色は大きく変わっていく街が木に変わり森に変わってゆくそんな景色を見ていると自分が別の世界に来た気分になる
小学生だった私はきっとこの景色を見て冒険心をくすぐられワクワクが止まらなかったはずだ
でも今の私はこの景色を見て冒険心がくすぐられることもなければワクワクしてくることもないこれが大人になるってことなのかな…私はぬいぐるみを抱きしめそっと目を閉じた