「はー……。お前もそろそろ彼氏くらい作れば?」
「……あんたに言われなくても、その内すんごいイケメンの彼氏が出来る予定ですー」
キッと噛み付くように睨めば、彼は馬鹿にしたように笑った。
「お前に?マジかよ。出来るといいなー?」
ニヤニヤしながらそう私の顔を覗き込む彼の脇腹をぶん殴る。
「ってぇ!そんな凶暴じゃイケメン彼氏も出来ねぇぞ?」
「うるさい!ちょっと黙って!」
「はいはい。悪かったって。そう怒んなよ」
「もういい!」
「あーもう。そんなプリプリすんなって。ほら帰るぞ」
私がこうやって拗ねれば、彼は笑って私の頭にポンと手を置く。
その温かさが心地よくて。
でも私がどれだけ彼のことが好きでも、彼は私のことを友達としか見ていなくて。
他の人にずっと恋焦がれていることを、私は知っている。