俺は大通りから少し離れた場所で小さな定食屋さんを営んでいる。カウンターが4席、テーブルは2人がけが3席しかない。でも、趣味で始めたようなものだったからこのくらいで充分だし、最近では来てくれる人も多くて忙しい。
「佐藤さん、おはようございます。」
店の厨房から出てきたのは見習い中の中村凌、23歳。
「おはよ。あれ、菜々ちゃんは今日休み?」
菜々ちゃんというのは賀澤菜々、20歳の大学生。俺を含めて三人でやっている。
「菜々ちゃんは午後から来ると言っていましたよ。」
そう言いながら淡々と凌君は開店の準備をする。菜々ちゃんがいないと洗い物が沢山たまるし、接客も菜々ちゃんがいつもやってくれるため2人だけだと少しバタバタするため忙しい。
「よし、開店時間になるから看板出してくるな。」外に出るともう既に日差しは強く、容赦なく日が体をさしてきて倒れそうだ。開店が10時からだからか平日はあまりお客さんが来ない。
「やっぱり午前中はけっこう暇だな。」
「そうですね。でも、そろそろお客さんが来る時間だと思いますよ。」
時計を見ると11時半を差している。今日の定食の準備をしていたから時間はあっという間に過ぎていた。
扉が開き「あー、やっと待っていた時間だー。」
声の方に目を向けると常連客の黒田さんだった。黒田さんは開店当時のころから来てくれている。
「いらっしゃいませ。お好きな席どうぞ。」
黒田さんは額から吹き出す汗をハンカチで拭いながら、カウンターの真ん中の席にドカッと座り「日替わり定食1つ。」と言うとスマホをいじりだす。
今日の日替わり定食の唐揚げは、昨日のうちからタレを染み込ませてあるからなのかお客さんからは結構人気メニューでもある。
「日替わり定食ですね。少々お待ち下さい。」
一礼をして厨房へいき、すぐに唐揚げを揚げる準備に取りかかる。凌君はご飯をお茶碗に盛り、サラダと味噌汁をお盆に置いたりとサポートをしてもらって、菜々ちゃんがいない時はどれだけ協力してスムーズにできるかを考えながら店をまわす。揚げたての唐揚げをのせて厨房から出ていくと、女性のお客さんが2人入ってきた。
「いらっしゃいませ。お好きな席どうぞ。」
「お、きたきた。今日は唐揚げ定食か。美味そうだな。」
黒田さんはスマホを見るのをやめておしぼりで手を拭き、食べる気満々の顔をしている。
「お待ち致しました。日替わり定食です。ごゆっくりどうぞ。」
お盆を置くとお腹が空いていたのか凄い速さで唐揚げが黒田さんの胃の中に消えていく。
テーブル席から「すいませーん。」と呼ぶ声が。
「はい。ご注文は何でしょうか。」
「日替わり定食1つとサバの味噌煮定食1つ下さい。」
「日替わり定食1つとサバの味噌煮定食ですね。少々お待ち下さい。」
それからもお客さんが沢山来てやっと落ち着いたと思い、時計を見るともう2時になろうとしていた。「凌君お疲れ。休憩する時間なくてごめんな。」「いえ、全然。疲れましたけどまだ大丈夫です。」凌君はあまり疲れた顔を見せないから心配になる。「今日は俺が賄い作るから座って休憩してな。」「ありがとうございます。じゃあ遠慮なく休憩させてもらいますね。」
流石に凌君が疲労で倒れてしまったら本当に店が回らなくなるから気を付けないと。冷蔵庫を覗くとピーマンや玉ねぎが元気を失いかけているものが多いため、無難な野菜炒めにした。
「はい。どーぞ。」そして俺も座り2人そろって「いただきます。」と言い一口食べる。凌君もお腹が空いていたか口いっぱいに詰め込んでリスみたいになっていた。
「佐藤さん、この野菜炒め凄い美味しいです。」「美味しいって思えてもらえて何よりだ。」
2人とも野菜炒めに夢中で食べ進めていると、賄いを食べている時は閉店中の看板にしているのに店の扉が勢いよく開く。
「佐藤さん、おはようございます。」
店の厨房から出てきたのは見習い中の中村凌、23歳。
「おはよ。あれ、菜々ちゃんは今日休み?」
菜々ちゃんというのは賀澤菜々、20歳の大学生。俺を含めて三人でやっている。
「菜々ちゃんは午後から来ると言っていましたよ。」
そう言いながら淡々と凌君は開店の準備をする。菜々ちゃんがいないと洗い物が沢山たまるし、接客も菜々ちゃんがいつもやってくれるため2人だけだと少しバタバタするため忙しい。
「よし、開店時間になるから看板出してくるな。」外に出るともう既に日差しは強く、容赦なく日が体をさしてきて倒れそうだ。開店が10時からだからか平日はあまりお客さんが来ない。
「やっぱり午前中はけっこう暇だな。」
「そうですね。でも、そろそろお客さんが来る時間だと思いますよ。」
時計を見ると11時半を差している。今日の定食の準備をしていたから時間はあっという間に過ぎていた。
扉が開き「あー、やっと待っていた時間だー。」
声の方に目を向けると常連客の黒田さんだった。黒田さんは開店当時のころから来てくれている。
「いらっしゃいませ。お好きな席どうぞ。」
黒田さんは額から吹き出す汗をハンカチで拭いながら、カウンターの真ん中の席にドカッと座り「日替わり定食1つ。」と言うとスマホをいじりだす。
今日の日替わり定食の唐揚げは、昨日のうちからタレを染み込ませてあるからなのかお客さんからは結構人気メニューでもある。
「日替わり定食ですね。少々お待ち下さい。」
一礼をして厨房へいき、すぐに唐揚げを揚げる準備に取りかかる。凌君はご飯をお茶碗に盛り、サラダと味噌汁をお盆に置いたりとサポートをしてもらって、菜々ちゃんがいない時はどれだけ協力してスムーズにできるかを考えながら店をまわす。揚げたての唐揚げをのせて厨房から出ていくと、女性のお客さんが2人入ってきた。
「いらっしゃいませ。お好きな席どうぞ。」
「お、きたきた。今日は唐揚げ定食か。美味そうだな。」
黒田さんはスマホを見るのをやめておしぼりで手を拭き、食べる気満々の顔をしている。
「お待ち致しました。日替わり定食です。ごゆっくりどうぞ。」
お盆を置くとお腹が空いていたのか凄い速さで唐揚げが黒田さんの胃の中に消えていく。
テーブル席から「すいませーん。」と呼ぶ声が。
「はい。ご注文は何でしょうか。」
「日替わり定食1つとサバの味噌煮定食1つ下さい。」
「日替わり定食1つとサバの味噌煮定食ですね。少々お待ち下さい。」
それからもお客さんが沢山来てやっと落ち着いたと思い、時計を見るともう2時になろうとしていた。「凌君お疲れ。休憩する時間なくてごめんな。」「いえ、全然。疲れましたけどまだ大丈夫です。」凌君はあまり疲れた顔を見せないから心配になる。「今日は俺が賄い作るから座って休憩してな。」「ありがとうございます。じゃあ遠慮なく休憩させてもらいますね。」
流石に凌君が疲労で倒れてしまったら本当に店が回らなくなるから気を付けないと。冷蔵庫を覗くとピーマンや玉ねぎが元気を失いかけているものが多いため、無難な野菜炒めにした。
「はい。どーぞ。」そして俺も座り2人そろって「いただきます。」と言い一口食べる。凌君もお腹が空いていたか口いっぱいに詰め込んでリスみたいになっていた。
「佐藤さん、この野菜炒め凄い美味しいです。」「美味しいって思えてもらえて何よりだ。」
2人とも野菜炒めに夢中で食べ進めていると、賄いを食べている時は閉店中の看板にしているのに店の扉が勢いよく開く。