「あ、万理ちゃん!」


相変わらず、子供のような笑顔を私に見せる千太郎。


そんな26歳の彼は、子供の頃からの夢を叶えて、
今は小学校で先生をしている。


遠い昔、子供の時、私が千太郎に言った言葉を思い出した。


‘ーー千太郎は優しいから大好き。
だから、ずっと優しいままの千太郎でいてねーー’



その私の言葉の通り、千太郎はずっと優しかった。


そして、私もそんな優しい千太郎が大好きだった。


千太郎が昔私をずっと好きだったと言ってくれたけど、そのずっとは。


その言葉を私が言った子供の時から、ずっとだったんだろうな。



「今までありがとう、千太郎」


その言葉に、本当に眩しいくらいの笑顔を浮かべている。


本当に、いい男だな。



16歳の私に、その魅力を教えてあげたいくらい。



「今度こそ、本当にさよなら。
零」


その言葉に、千太郎は目を見開いて驚いている。


「ーーーバレてた?」


そう、バツが悪そうに笑っている。