「どっちからプロポーズしたんだろうね?
普通は男からだけど、千太郎がって想像つかない」
百恵は少し離れた場所に居る千太郎と羽七ちゃんを見ながら、訊いて来るけど。
「どっちなんだろうね」
そう答えたけど、きっと千太郎がビシッと決めたんだろうな、って私は思う。
なんだかんだ、千太郎は男らしいから。
この千太郎の結婚式のパーティーは、
新郎新婦の親族だけではなく、
お互いの友達が沢山来ている。
千太郎側の招待客は私もけっこう知っている人が多いので、
少し同窓会気分で楽しい。
「あ、一原先輩!」
百恵は私に気付かせるように、そう声を出す。
一原先輩はその百恵の声で私達に気付き、こちらへとやって来た。
「あ、私、料理取って来よっと」
百恵はそうやって、気を利かせてくれたのか、
私と彼を二人っきりにさせてくれた。
二人っきりっていっても、周りには沢山人は居るのだけど。
中学からの親友の百恵が、私が一原先輩に憧れていた事を、知らないわけがない。