「よぉ」


翌日も、学校が終わり自宅の扉の鍵を開けていると、
零が現れた。



昨日と違い、その姿を見て、ドキンとしてしまった。




「今日もサボり?」



零は私服なのもそうだけど、
今の今迄寝てたような寝起きの顔をしていて。



「いや。
テストだから、とっくに終わってる。
明日もテストだから勉強しようと思ったんだけど、眠くて仕方ねぇ。
てか、机で寝ちまったんだけど」


そう言って、零は欠伸をしていて。



夕べ、あまり寝てないのかな?



「テストどうだった?」



千太郎は、とても勉強が出来た。


だから、私の通う公立高校よりもかなり学力の高い、
私立の男子校の高校へ通っていて。



その付属の有名大学に、そのまま進むのだろう。



「まずまず。
だって、俺、千太郎が勉強してたのもずっと見てるし、
脳だって共有してんだ。
同じくらい出来るに決まってんだろ。
ただ」


「ただ?」


「俺に代わった途端、あんだけ勉強する事に抵抗無かったはずなのに、
全然進まねぇ。
眠くて仕方ねぇし。
このまま俺と一緒に、千太郎も学力が落ちて行くのは間違いないな」



なるほど。


千太郎は勉強が好きだったけど、
零は勉強嫌いなんだな。


だから、このままだと零は勉強しないから、
成績が下がって行くだろう。


それは、千太郎の成績も下がるって事。




「ちょっと!
なんとかしなさいよ。
千太郎がこのまま付属の大学に行けなかったら、
あんたのせいよ!」


「だから、だ。
1つ提案がある」


「なに?」


「一緒に、勉強しないか?」