色々と、もやもやムカムカとしながらも、零と一緒に海に来てしまった。


今日は平日だけど暑いからか、
浜辺にはわりと人が多かった。


バイクはこの海浜浴場の駐輪場に停めた。



にしても、泳ぐわけでもない私達は、
この場で浮いてる。


千太郎は私服だけど、私は制服だし。



それに、サンダルじゃないから、
砂の柔らかい海辺の方へも行けない。


靴に砂が入ったら、嫌だし。


少し遠くから、海を眺める感じ。



にしても、と私の横に立つ零の横顔を見る。


千太郎もそうだけど、チビの私から見て、
本当に背が高い。


子供の時から、私より千太郎の方が背は有ったのだけど、
昔はこんなにも差は無かったのにな。



「海なんか見て、どうしたかったの?」


私達の住んでいる場所からこの海浜浴場は、電車で二駅で、バイクなら30分も掛からなかった。


この海浜浴場は、子供の頃から千太郎の家族と私家族で、
よく遊びに来た事がある。


だから、私にとってここはさほど珍しい場所でもない。


千太郎だってそうだろう。


ただ、そんな風に最後に来たのは小学生以来だから、
懐かしいなーとは思う。


レモンのかき氷を、よく海の家で買っていたな。