「千太郎が私の事を好きなのも驚いたけど、
千太郎ってそっち系だと思ってたの」



そんな千太郎。


実は、千太郎は女性よりも男性が好きなんじゃないかと、
いつの頃か思っていた。


近くに居た私の影響なのか、千太郎は昔から少女漫画の類いが好きだし、
わりと、ピンク色も好きだったりする。

子供の時も、電車や戦隊ものとかにも興味がなくて。


だからか、昔から千太郎には異性を感じなくて、
そんな彼はもしかしたら、体は男だけど、心は女の子なのでは?と思っていた。


なんとなく、そう思っている事は、千太郎本人に言えなかったけど。



「ああ、そう思うのも分からなくもないけど。
私は、千太郎は幼稚園児くらいの男の子って感じだけど」



そう言う百恵も、やっぱり千太郎を異性としてはナシなのだろう。


千太郎は、顔はそこそこいいから、
そこそこはモテてたけど、
ある程度千太郎の事を知っている女の子からは、
告白とか千太郎を好きだとか、その手の話を聞いた事はない。


「で、なんで百恵は千太郎が昨日私に告白するって知ってるの?」



まぁ、千太郎本人から聞いたのだろうけど。


私が知りたいのは、なんで昨日私に千太郎が告白して来たのか。



「昨日、千太郎と昼休みLINEしてたんだけど。
ほら?万里、昼休みに隣のクラスの二村(にむら)君に呼び出されてたでしょ?
それを千太郎にLINEしたの。
多分、そのまま二村君に告白されるかもって。
そしたら、千太郎焦って、‘俺も今日万里ちゃんが帰って来たら告白する!’って」




なるほど……。


それが、昨日の千太郎の突然の告白のわけか。