あの人がここから去る日が近付く。
 愛しいあの人。
 出来ることならずっと一緒にいたかった。

 必死になって引き留めたけれど、あの人の決意は固い。決して心変わりすることないだろう。
 胸が張り裂けそうに傷む。

 これは私の始めての恋。
 そして、恐らく最後の恋。
 こんなにも人を好きになることはもう二度とないだろう。 

 この切ない思い全てをこめて、せめてもの贈り物をしよう。
 あの人は喜んでくれるだろうか。 

 浦島太郎様。
 これから時が何年経とうとも。
 乙姫はいつまでも、あなたをお慕いしております。