テレビに出ている天気予報士が、梅雨明けを伝えている。
わたしは朝食のパンをかじりながら、ぼんやりとそれを眺める。
「あれぇ、お姉ちゃん。なんで制服?」
寝起きの万緒が、眠そうな顔でわたしに聞く。するとわたしが答える前に、お母さんが横から口を出した。
「夏瑚はね、夏休みも補習なの。テストの成績が悪かったからね」
万緒がにやっと笑ってわたしを見る。
「そうなんだー、かわいそー、お姉ちゃん。せっかくの夏休みなのにー」
「うるさいなぁ、今回はしょうがないの。次回からがんばるから、いいんだよっ」
「ほんとかなぁ? 昨日も夜遅くまで、誰かと電話してたみたいだけど?」
昨日はクラスの友だちから電話があって、長電話しちゃったんだ。
「もしかして、彼氏だったりして」
「え、彼氏? 夏瑚、彼氏いるの?」
「まさか、碧人くんとか? 最近仲良さそうじゃん」
万緒の言葉に、お母さんが目を丸くした。わたしはため息をついたあと、万緒のわき腹に手を突っ込む。
「そんなわけないでしょー! あんたは生意気なんだよー!」
「きゃはははー!」
笑いだした万緒が、突然黙りこむ。わたしはくすぐる手を止め、万緒の視線の先を見る。
「え、お母さん?」
涙を流していたお母さんが、あわてて手で目元をぬぐった。
わたしは朝食のパンをかじりながら、ぼんやりとそれを眺める。
「あれぇ、お姉ちゃん。なんで制服?」
寝起きの万緒が、眠そうな顔でわたしに聞く。するとわたしが答える前に、お母さんが横から口を出した。
「夏瑚はね、夏休みも補習なの。テストの成績が悪かったからね」
万緒がにやっと笑ってわたしを見る。
「そうなんだー、かわいそー、お姉ちゃん。せっかくの夏休みなのにー」
「うるさいなぁ、今回はしょうがないの。次回からがんばるから、いいんだよっ」
「ほんとかなぁ? 昨日も夜遅くまで、誰かと電話してたみたいだけど?」
昨日はクラスの友だちから電話があって、長電話しちゃったんだ。
「もしかして、彼氏だったりして」
「え、彼氏? 夏瑚、彼氏いるの?」
「まさか、碧人くんとか? 最近仲良さそうじゃん」
万緒の言葉に、お母さんが目を丸くした。わたしはため息をついたあと、万緒のわき腹に手を突っ込む。
「そんなわけないでしょー! あんたは生意気なんだよー!」
「きゃはははー!」
笑いだした万緒が、突然黙りこむ。わたしはくすぐる手を止め、万緒の視線の先を見る。
「え、お母さん?」
涙を流していたお母さんが、あわてて手で目元をぬぐった。