ずっとここに住んでいれば生き物とも仲良くすることができるのか、この街のことはナツが教えてくれるから、明日にでも聞いてみようと思う。
山の虫たちはひたすらうるさいだけで、じいちゃんの指に泊まっている黒と青の海みたいな蝶だってここでしか見られない。
「収穫が終わったら、夏も終わりなんすか」
「そーだな、あとほら、夏の虫たちも出番が終わるんだよ」
指の先に止まっている蝶がゆっくりと羽を動かしている。
こんなに綺麗な蝶もいるもんだと、あとでスケッチに書いておこうと思う。
「きみは、明日も来るかい」
「そーっすね、そろそろ学校でも作業するんで明日明後日くらいまでは」
「そーか、明日は晴れるぞ」
「…じいちゃんまで晴れの子みたいなこと言うんすね」
「ハハ、なんだいそれ」
「無知っすね」
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しばらく海に来れなくなるから、しばしの選別がてら花火をもって海へ出かけた。
晴れているのに少し元気がなさそうなナツは、俺が持ってきた花火を見て目を輝かせた。
「火、熱い?」
「触んなきゃ熱くねーよ」
「このほっそいのやりたい!」
「線香花火な」