「お疲れ」
「お疲れ様です」
18時を過ぎて、遅番のアルバイトの人たちと入れ替わりで上がれば、わたしの後に続いて先輩がバックルームに入ってきた。
「17時台ってあんなに混むんですね」
「そーなんだよね、木曜は結構忙しい」
だから俺は二回に休憩分けるんだよね、
そう言って30分ずつ休憩をとっている先輩を思い出して納得した。
「あー、疲れた」
女子更衣室でぱっと着替えたら先輩はまだそこにいて、椅子にもたれかかって伸びをしていた。
「わたしも疲れました」
さすがにいつもより2時間多く働くと疲れるものである。
店長がお詫びにくれたカップケーキをセンパイの前の席に座って食べはじめた。
「帰らんの?」
「お腹空いたんで、これだけ食べちゃおうかなって」
もう上着まで羽織って帰る準備完璧の先輩のほうをじっと見ていれば、どーした?なんて間抜けな答えが返ってくる。
「あ、いや、もう帰るのかなって」
「そー思ってたけど、俺も疲れたから立てねえ」
ケラケラ笑って、スマホを触り始めた先輩に、疑問をぶつける。
「先輩、」
「んー?」
「木曜日はいつも、上がったらすぐ帰るんじゃないんですか、」