先輩がつくってくれるカフェラテ。 そのまま飲めば苦くて、でも先輩は、わたしのためにふたつ、角砂糖を横に置いておいてくれる。 先輩の優しさは、角砂糖みたいに甘くて、 でもそれは、余計にわたしのことを苦しくさせる。 「…ずるいよ、」 追いかけてきてくれる優しさ、 頭を撫でてくれる大人な態度、 ごめんって言わない意地悪、 ありがとうって言ってくれる、ずるさ。 先輩の苦くて甘い優しさが、 だいきらいだ。