リキには何年も片想いしている女の子がいる。
その女の子は幼なじみで、生きているほとんどをその子に費やしているくらい、とてもおせっかいだ。

リキはとても不憫なおとこだ。




幼なじみの女の子には好きな人がいる。
相手は彼女持ちの年上の男で、彼女に内緒で、何度も逢瀬を交わしている、俗にいう“浮気相手”側の女の子だ。
当の本人はそれをわかっていて、でもそこから抜け出そうとはしない、勝手に傷ついて、ひとりで泣いていて、リキを呼び出すのだ。

彼女はとても不憫なおんなのこだ。



「で、慰めたんだ」

「まあ、そりゃ、泣いてるし」

「呼んだら来ると思われてるから、リキはいつまでも2番目なんでしょ」

「…ミヤはいつも、辛辣」

「間違ってないし、他に誰も言ってくれないでしょ」

「お世話になってます、ガチで」



深夜1時を過ぎていた。

冬に集まるのは決まって私の部屋だ。
ただの学生のリキの部屋にはこたつがないし、ホットカーペットもない。

お酒とおつまみと半額になったお惣菜をビニールに下げて、リキはいつも私の部屋のインターホンを鳴らすのだ。