アンモニウムの"呪い"



「おはよー。」や
「あっ…おはよー。」など挨拶が飛び交う朝の教室。私はこの空間が「嫌いだ。」
勢いに乗って発してしまった言葉。
本来発する筈の無かった言葉。でも、不思議とその声が誰かと重なった気がして嬉しくなった。

私はこのクラスで孤立している様なものだった。私の事を大切に想ってくれている人は霧矢 音羽(きりや とわ)姫崎(ひめさき) けいとの二人だけ。
だけって言っても私は充分だった。二人"も"私を想ってくれている人がいる。それが私の心をいつも満たしてくれていた。そして、虚しくさせた。