その後にボソッと、

「幸福な未来は自分達で作って行くんだよ。頑張ってね。」

と言ったのを俺は聞き逃さなかった。

「じゃあね。七月二十四日にここに来て。」

理解不能な言葉を並べて、こちらの質問をも聴かずに帰った色葉さん。
不思議な方だなぁ。と思っていたら時間なんてあっという間に過ぎていて、もう日暮れの時刻だった。
家に入る頃には色葉さんの"七月二十四日にここに来て。"と言う言葉を覚えてはいなかった。

___七月二十四日___

俺は、自然とあの花畑に来ていた。
何故かは分からない。でも、行かなければならないと思ったからだ。
そこには、また誰かがいた。
その誰かは俺の探し求めていた彼女だった。

あぁ……俺は、この子を探していたんだ。

「久し振り。で良いのかな"結香"」

俺は涙を流しながら彼女に問いかけた。
そしたら彼女は振り向き涙を流し、微笑みながら言った。


「そうだね。久し振り"莉斗"___。」

花畑にはサネカズラとツユクサが綺麗に咲き誇っていた。