「私はね、お前さんに幸せになって欲しいんだよ。正直に言うとねぇ、深月なんて私にとってはどうでもいいんだよ。結香、お前さんが幸せになってくれればね。お前さんは本当はね、あの子の娘として、深月の双子の妹として産まれる筈じゃあなかったんだ。それなのに……それなのに……。」
長い長い空白の後に一言祖母は書いていた。
「………お前さんが深月を求めたんだ。深月がお前さんを、結香を求めたんだよ。」
その言葉に私は胸が締め付けられた。
「本当は教えるべきではないかも知れないが、私はもう死んでいる。ここに書き留めなかったら何もわからなくなってしまうから。だから、思い詰めないでおくれ。」
「話を変える。真面目な話だ。
結香は消えない方法を求めてここまで来たんだろう?正直に言おう。お前さんが消えない方法など無い。色葉はまだ少し未熟だ。一人前であったならお前さんが消えなくても良い方法があったかも知れない。でも、完全ではなかったその"魔法"は完成する事も崩壊する事も無い。ずっと、ずぅっとお前さんに残り続ける。だからな、奇跡が起こるのなら、その"魔法"は消えるかもしれない。けれどお前さんの気持ちが強すぎる。"消えたい"と言う気持ちが強すぎるんだよ。私にとってはお前さんが消えても消えなくてもどっちでもいい。本当にどっちでもいいんだ。なぜなら私はお前さんが幸せなら何でもいいからだ。お前さんが消える事が幸せなら私は止めもしない。応援はしないかもしれないが。私はいつでも結香の中にいるからね。大変なとき、辛いとき、嬉しいときでもなんでも共有できる。だから、結香。残りの人生を楽しんでおいで。」
"結香を愛する祖母より。"
祖母はこんなにも私を気遣って、愛してくれていた。なのに私は何も祖母に何もできなかった。今さら後悔しても遅いのに、祖母になにか返したかったな。と今更ながらに思う。
祖母の本…いや、祖母の言葉に押された私の心には爽やかな風が吹いていた。
長い長い空白の後に一言祖母は書いていた。
「………お前さんが深月を求めたんだ。深月がお前さんを、結香を求めたんだよ。」
その言葉に私は胸が締め付けられた。
「本当は教えるべきではないかも知れないが、私はもう死んでいる。ここに書き留めなかったら何もわからなくなってしまうから。だから、思い詰めないでおくれ。」
「話を変える。真面目な話だ。
結香は消えない方法を求めてここまで来たんだろう?正直に言おう。お前さんが消えない方法など無い。色葉はまだ少し未熟だ。一人前であったならお前さんが消えなくても良い方法があったかも知れない。でも、完全ではなかったその"魔法"は完成する事も崩壊する事も無い。ずっと、ずぅっとお前さんに残り続ける。だからな、奇跡が起こるのなら、その"魔法"は消えるかもしれない。けれどお前さんの気持ちが強すぎる。"消えたい"と言う気持ちが強すぎるんだよ。私にとってはお前さんが消えても消えなくてもどっちでもいい。本当にどっちでもいいんだ。なぜなら私はお前さんが幸せなら何でもいいからだ。お前さんが消える事が幸せなら私は止めもしない。応援はしないかもしれないが。私はいつでも結香の中にいるからね。大変なとき、辛いとき、嬉しいときでもなんでも共有できる。だから、結香。残りの人生を楽しんでおいで。」
"結香を愛する祖母より。"
祖母はこんなにも私を気遣って、愛してくれていた。なのに私は何も祖母に何もできなかった。今さら後悔しても遅いのに、祖母になにか返したかったな。と今更ながらに思う。
祖母の本…いや、祖母の言葉に押された私の心には爽やかな風が吹いていた。