中々に上手く描けた花畑。
でも……やっぱり実物の方が生き生きとしている気がする。
誰にも見せた事が無いから実際の所は分からないけれど。

これが誰かに見られる時、私は笑顔でここにいるのかな。
もし、見られる時があるのなら、笑顔でここにいたいと、私は思う。

もう、時なんて残ってないけれど。

ダメダメ。ネガティブはやめるって決めたんだ。

この日はこのまま眠りについてしまった。


気づいたらあっという間に時は過ぎていて、もう肌寒い季節。

もうすぐ冬が待っている。

綺麗な夕日は情熱的に激しく燃えているよう。

ザッ

あぁ……またか。

また誰かがここへ来た。
まぁ海の香りはしないから、あいつしかいない。

「約、1ヶ月半ぶり位かな。久し振り莉斗。」

「っ……久し振りじゃないよ!!急に俺、の前から消えて、どれだけ心配した、かと…!」

私が瞳を開いた時見たく悲しみと少しの怒りを含んだ涙を零す彼。
不覚にも、涙が夕日に照らされて光り、美しいと想ってしまった。

彼は……美しい。
私には勿体ない位に。付き合っても居ないけれど。

「ずっと探してたんだ。やっと、み、みつけた。」

とても嬉しそうにはにかむ君を忘れたく無いと、描きたいと思った。

「君に伝えたい事があるんだ。深月について。」 

まだ瞳には沢山の涙が、今にも零れんばかりに溜まっていた。
それでも真っ直ぐ私を見つめる彼の瞳からは逃げられない。

「極力…その話はしたくない。」

「それは、無理だ。」

予想していた言葉。
もう聴くしか無い。

「それは、______」

真実を聴いて私は嘆いた。
もう嫌だともう消えたいとずっと、時間が許す限り泣き叫んだ。