君が瞳を開かなくなってから2週間。

もう君は綺麗な瞳を開く事が無いんじゃないか。なんて思う程に深く眠っている。
君がいない学校はとても退屈で行きたくなかった。

君の教室を通りすがらに見ると、君がいない事に心配しているのは、新木音羽(あらきとわ)さんと七瀬(ななせ)けいとさんしかいなかった。

他の人はまるで君なんていなかった様に、先生でさえも君の存在を覚えてはいなかった。
覚えていない振りをしている可能性もあるが、そんな事する必要は無いと思う。

唯一気掛かりだとするならば、何故新木さんと七瀬さんだけ覚えているのか。というか事だけだ。

そんなの考えた所で君は瞳を開かないんでしょ?
いつになったら君は瞳を開いてくれるのかなぁ。
学校でも家でも君の事しか考えられない。

色褪せていた景色を再び色付けてくれたのは君だった。
でも、色褪せた原因も君だった。
だから、また俺の景色を色付けて?
いつになったら俺のクフェアは散るのかな。
いつまで俺はクフェアを咲かし続ければいいの?

何をしても瞳を開かない君に俺は毎日の様に言葉をかけ、花を変える。
そろそろ選ぶ花の種類が無くなりそうだよ。
そんな事思っても意味無いだろうけど。

俺はいつまでも君を想い続けるから、早く瞳を開いて?

何をしても、何想っても瞳を開かない君を待つのは正直苦痛なんだ。

何を見ても感情は動かないし、何をしても君に関連づく。
そんな毎日は退屈で、心は死んでいる。
こんな毎日を過ごすなら死んで仕舞いたいと何回も思った。

それでも死にきれなかったのは、きっともう1度、君の花が咲く様な笑顔を見たかったからなのかも知れない。

きっと丁度2週間後の天気は晴れだから。

その時に、君の笑顔が見える様に俺は頑張りたいんだ。

だから、結香は最高の笑顔を俺に見せてね。

「それじゃあ。また明日来るね。」