その日の昼休み、凰雅と能丸はいつものように席で食事をしていた。
「ハァーイ、ミスターオーガ。ちょっといいかしら。」
そこに現れたのはクラスの皆の質問攻めを抜け出してきたジェシーだった。

「何の用だ。」
「OH~、つれないねー。」
「当然だ。お前のような奴と関わるとロクな目にあわないと俺の経験が言っている。」
「ん~、さすがはミスターオーガ。それがジャパニーズケイケンソクってやつですね。その人並外れた筋肉は伊達ではないと仰りたいのですネー。ですがワタシはあなたに用があるのでーす。」
「お断りだな。」
「そんなこと言わないで聞いてあげなよ凰雅。」
「・・・能丸がそういうなら。おい、ジェシーだかジェシカだったか、用があるなら早く言うんだな。」
「サンキューでーす。ではミスターオーガ、放課後になったらワタシと一緒にある場所に来てもらいマース。」
「どこへ行くんだ?」
「それはシークレットでーす。」
「やれやれだな。ああそれと、能丸も一緒に行くぞ。」
「え?なんで?」
「OKでーす。」
「いや行かないよ。」
「能丸が行かないなら俺も行かないぞ。」
「ワッカリましたー。」



その日の放課後、凰雅と、ジェシーによってスマキにされた能丸は学校の屋上に行き、そこに着陸した謎のヘリに乗ってとある場所に連れていかれた。

その場所とは、とある山にあるロッジ。
「ミスターオーガ、そして能丸。長旅お疲れ様でした。」
「ふう、やれやれだ。で、ここはいったいどこなんだ?」
「それはシークレットでーす。」
「全く。やれやれだな。」
「そういうのいいから、いい加減に僕を解放してくれないかな。」
「おー、忘れてました。ごめんなさいデース。いま解きまーす。」
「それで?俺たちをここへ連れてきた目的はなんだ?」
「よくぞ聞いてくれました。ワタシ達は今もの凄い難問にブチ当たっているのデース。そこで噂に名高いミスターオーガの力を借りたいというスンポウなのデース。ですがその前に、本当に噂ほどの漢なのか確かめさせてもらおうと思っていまーす。」
「やれやれ。俺はごく普通の高校生だと言っているだろう。人違いかなにかだとは思うが。で?差し当たって俺にここで何をしろっていうんだ?」

「今このロッジでは殺人事件が起きていまーす。しかも昨夜からの大雨で電話線が切れてしまって外との連絡手段はなくなりマシタ。更にこのロッジに通じる唯一の橋は崩れ落ちていまス。いわゆるジャパニーズミッシツというやつです。犯人は確実にこのロッジの中にいる。しかし巧妙なトリックを駆使していて犯人が誰だかわからないのです。ステイツの威信にかけて世界最高峰の頭脳を駆使しても犯人が未だわからないのデース。そこで、ミスターオーガには犯人を推理して逮捕してほしいのでーす。」
「探偵ごっこということか。やれやれだ。能丸、どう思う?」
「僕たち今さっきヘリで来たよね?全然密室じゃないと思うんだけど。まあロッジにいる人たちを集めてもらって事情聴取するのがセオリーなんじゃないかな。」
「ああそうだな。俺も能丸と同じことを考えていた。」
「ではセオリーに則って食堂にシュウケツさせますので先に行って待ってってくださーい。」