「やれやれ、結局よくわからなかったが、大変そうだな。」
「これはこの学園のみならず世界の危機デスねー。ならば!ワタシ情報網を使う時が来たということデースねー?」
「なんだジェシー、当てがあるのか?」
「ええ、モッチロンでーす。ステイツの情報網を甘く見ないでくだサーイ。皆さん、フリー、メ、メ、なんとかって、知ってマスかー?」
「知らん。」
「まさか、フリーメイソンか!?」
「OH、多分それデース。」
「知っているのか?御用崎。」
「知ってるも何も、昔から存在し、世界を陰で牛耳っているとか言われるが、その存在は誰もわからないという秘密組織のことだ。」
「御用崎君そういうの詳しいよね。」
「ほう、なんだかわからんがそのフリーメンソンだか何だかに聞けばわかるかもしれないんだな。」
「そうデース。では今からワタシがアポイント取るので放課後に皆で向かいまショウ。」
4人で向かったのは都内某所、周囲を超高層ビルで囲まれた秘密のオアシス。
その名も、子供ほがらかワンパク公園。
「ランデブーのアポイントメントをとったのはここデース。」
「ただの公園じゃないか。こんなところでそのフリーなんとかって奴がいるのか?」
「ここでアーサーオーと会う約束をしたのデース。」
「アーサー王だって!?」
「知っているのか?御用崎。」
「知ってるも何も有名人だぜ。あれは千年以上前の話だ、何をしたかは今一よくわからないんだが、とにかく色んな逸話がある英雄とよばれる人物だったらしい。」
「御用崎君そういう話好きだよね。」
「随分フワッとしているが、どちらにせよそんな昔の奴が今も生きているとは驚きだな。」
「同一人物なわけないでしょ。あだ名みたいなものじゃないかな。」
「噂をすれば、なんとヤーラー。彼がこのフリーメン達の村、フリーメンソンのトップ、アーサーオーでーす。」
その人物の姿を見た凰雅は、なるほどそこはかとなくただモノではない、という雰囲気を嗅覚で感じ取った。
穏やかな笑みを浮かべ、一見すると汚い服を纏ったただの優男にしか見えない彼こそが、裏の社会の情報通であるという正反対の二面性を持っているのだ。
その男は自らの強大さをひけらかすことなく、凰雅達に会うなり会釈をしながら静かに口を開いたのだった。
「初めまして、浅尾と申します。」
「おー、アーサーオー。あなたがたの力を借りに来ましたー。」
「それは構いませんが、私たちみたいな者でお役に立てますでしょうか?」
「役に立つか立たないかは俺たちが決めることだ。あんたが気にすることじゃないぜ。」
「なんで凰雅は急に偉そうにしだしたの?」
「アーサーオー、ワタシ達はあるモノを探しているのですが、手掛かりがなくて困っているのデース。」
「探し物ですか、各所への情報に関しては、私よりも業務委託で多くの人を取り仕切っている岸の方が詳しいと思います。ですが他に仕事がありまして今日は・・・。」
「おーうギョウタクのキシ達はいないデスかー。そうデしたー、そう言えば先週無くしたマグカップを探してって頼んだんデシター。」
「やれやれ、なら無駄足だったってことか?やれやれだぜ。本当にやれやれと言うやつだぜ。」
「ところで探している物とはどういったモノなのですか?」
「なんだったかな。」
「データでーす。」
「それも極秘のな。」
「フロッピーディスクです。」
「そうデース。フロッピーが盗まれたのデース。」
「盗まれた、となると難しいですが、フロッピーでしたら我々の中で知っているとしたら彼女でしょう。」
浅尾が指さした先にはうず高く積まれた瓦礫の山とその前に佇む老婆の姿があった。
「もし盗んだ者がデータを抜いた後、用済みになって捨てていれば、ですが。そうなっていれば彼女、多留久さんの集めたジャンクの中にあるかも知れません。」
「わかったぜ。」
4人は老婆の元へ向かう。その老婆は近寄りがたいオーラ的な何かを発している。浅尾とはまた別種の何か、鼻をつくようなオーラ的な何かによって息苦しささえ感じてしまう程だった。
「オー。ジャーンク。久しぶりデース。」
「なんだいあんた。」
「なんだいとはご挨拶デース。紹介しまショウ。彼女はかの有名なジャンクタルクでーす。」
「知らん名だな。」
「ジャンヌダルクだって!?」
「知っているのか?御用崎。」
「知ってるも何もジャンヌダルクと言ったら・・・」
「聞き間違いだよ。」
「・・・で?何しに来たんだい?あんたら。」
「極秘データの入ったフロッピーを探している。ちょっと後ろの瓦礫を探させてもらうぜ。」
「フロッピー?なんだか知らないが、あたしの物を盗む気かい?やらないよ!泥棒!」
老婆は突然気が狂ったように暴れ出した。能丸だけがなだめようとするが全く収まる様子がない。
「こうなったらもう手が付けられないよ。今日のところは出直そうか?」
「やれやれ、仕方がないな。」
「おー、オーガ。何か手があるのデスかー?」
「おいババア、少しは話を聞け。」
「なんだいあんたは!触んないどいてくれよ!」
「む、やれやれだぜ。仕方がないな。」
凰雅はゆっくりと、それでいて力強く暴れる老婆を抱きしめた。
「少し大人しくしていろ。」
ギュッ!
するとどうしたことだろう。凰雅が抱きしめると老婆はまるで糸の切れた操り人形のように突然その場に崩れたではないか。
「ふっ、やはり筋肉でオとせない女はいないってことだな。」
「おー、ジャンク羨ましいデース。」
「ちょっと凰雅!別の意味でオチちゃってるから。おばあさんに乱暴はよくないよ。」
「乱暴なんかしていない。ただ俺の大胸筋と上腕三頭筋が奏でるハーモニーに昇天しただけだ。さて、それじゃ探すか。」
手分けして瓦礫の中を探す4人。だが巨大なその山をいくら探しても全く見つからない。
「これはがむしゃらに探しても切りがないね。」
「ここにはないのでショーか?」
皆が諦めかけたその時
「あんたたち、探し物ってのは、これのことかい?」
意識を取り戻した老婆は凰雅の筋肉によって邪な心が消え、雨上がりの空より綺麗な目で聖母のような笑みを浮かべながら懐から一枚の四角いプラスチックの板を取り出した。
「見せてみろ。・・・わからん。だが極秘データ、と書いてある。これがそうなのか?」
「極秘データって書いてあるならきっとそうデース。」
「そんな馬鹿な。」
「おいババア、これをどこで見つけた。」
「ありゃぁあたしがいつも通り、町でまだ使えるものを探していた時のことさ・・・、」
「長くなりそうだな。手短にしろ。」
「ゴミ袋の中に入っていたよ。」
「そうか。これで俺たちの仕事は終わりだな。帰るか。」
「これはこの学園のみならず世界の危機デスねー。ならば!ワタシ情報網を使う時が来たということデースねー?」
「なんだジェシー、当てがあるのか?」
「ええ、モッチロンでーす。ステイツの情報網を甘く見ないでくだサーイ。皆さん、フリー、メ、メ、なんとかって、知ってマスかー?」
「知らん。」
「まさか、フリーメイソンか!?」
「OH、多分それデース。」
「知っているのか?御用崎。」
「知ってるも何も、昔から存在し、世界を陰で牛耳っているとか言われるが、その存在は誰もわからないという秘密組織のことだ。」
「御用崎君そういうの詳しいよね。」
「ほう、なんだかわからんがそのフリーメンソンだか何だかに聞けばわかるかもしれないんだな。」
「そうデース。では今からワタシがアポイント取るので放課後に皆で向かいまショウ。」
4人で向かったのは都内某所、周囲を超高層ビルで囲まれた秘密のオアシス。
その名も、子供ほがらかワンパク公園。
「ランデブーのアポイントメントをとったのはここデース。」
「ただの公園じゃないか。こんなところでそのフリーなんとかって奴がいるのか?」
「ここでアーサーオーと会う約束をしたのデース。」
「アーサー王だって!?」
「知っているのか?御用崎。」
「知ってるも何も有名人だぜ。あれは千年以上前の話だ、何をしたかは今一よくわからないんだが、とにかく色んな逸話がある英雄とよばれる人物だったらしい。」
「御用崎君そういう話好きだよね。」
「随分フワッとしているが、どちらにせよそんな昔の奴が今も生きているとは驚きだな。」
「同一人物なわけないでしょ。あだ名みたいなものじゃないかな。」
「噂をすれば、なんとヤーラー。彼がこのフリーメン達の村、フリーメンソンのトップ、アーサーオーでーす。」
その人物の姿を見た凰雅は、なるほどそこはかとなくただモノではない、という雰囲気を嗅覚で感じ取った。
穏やかな笑みを浮かべ、一見すると汚い服を纏ったただの優男にしか見えない彼こそが、裏の社会の情報通であるという正反対の二面性を持っているのだ。
その男は自らの強大さをひけらかすことなく、凰雅達に会うなり会釈をしながら静かに口を開いたのだった。
「初めまして、浅尾と申します。」
「おー、アーサーオー。あなたがたの力を借りに来ましたー。」
「それは構いませんが、私たちみたいな者でお役に立てますでしょうか?」
「役に立つか立たないかは俺たちが決めることだ。あんたが気にすることじゃないぜ。」
「なんで凰雅は急に偉そうにしだしたの?」
「アーサーオー、ワタシ達はあるモノを探しているのですが、手掛かりがなくて困っているのデース。」
「探し物ですか、各所への情報に関しては、私よりも業務委託で多くの人を取り仕切っている岸の方が詳しいと思います。ですが他に仕事がありまして今日は・・・。」
「おーうギョウタクのキシ達はいないデスかー。そうデしたー、そう言えば先週無くしたマグカップを探してって頼んだんデシター。」
「やれやれ、なら無駄足だったってことか?やれやれだぜ。本当にやれやれと言うやつだぜ。」
「ところで探している物とはどういったモノなのですか?」
「なんだったかな。」
「データでーす。」
「それも極秘のな。」
「フロッピーディスクです。」
「そうデース。フロッピーが盗まれたのデース。」
「盗まれた、となると難しいですが、フロッピーでしたら我々の中で知っているとしたら彼女でしょう。」
浅尾が指さした先にはうず高く積まれた瓦礫の山とその前に佇む老婆の姿があった。
「もし盗んだ者がデータを抜いた後、用済みになって捨てていれば、ですが。そうなっていれば彼女、多留久さんの集めたジャンクの中にあるかも知れません。」
「わかったぜ。」
4人は老婆の元へ向かう。その老婆は近寄りがたいオーラ的な何かを発している。浅尾とはまた別種の何か、鼻をつくようなオーラ的な何かによって息苦しささえ感じてしまう程だった。
「オー。ジャーンク。久しぶりデース。」
「なんだいあんた。」
「なんだいとはご挨拶デース。紹介しまショウ。彼女はかの有名なジャンクタルクでーす。」
「知らん名だな。」
「ジャンヌダルクだって!?」
「知っているのか?御用崎。」
「知ってるも何もジャンヌダルクと言ったら・・・」
「聞き間違いだよ。」
「・・・で?何しに来たんだい?あんたら。」
「極秘データの入ったフロッピーを探している。ちょっと後ろの瓦礫を探させてもらうぜ。」
「フロッピー?なんだか知らないが、あたしの物を盗む気かい?やらないよ!泥棒!」
老婆は突然気が狂ったように暴れ出した。能丸だけがなだめようとするが全く収まる様子がない。
「こうなったらもう手が付けられないよ。今日のところは出直そうか?」
「やれやれ、仕方がないな。」
「おー、オーガ。何か手があるのデスかー?」
「おいババア、少しは話を聞け。」
「なんだいあんたは!触んないどいてくれよ!」
「む、やれやれだぜ。仕方がないな。」
凰雅はゆっくりと、それでいて力強く暴れる老婆を抱きしめた。
「少し大人しくしていろ。」
ギュッ!
するとどうしたことだろう。凰雅が抱きしめると老婆はまるで糸の切れた操り人形のように突然その場に崩れたではないか。
「ふっ、やはり筋肉でオとせない女はいないってことだな。」
「おー、ジャンク羨ましいデース。」
「ちょっと凰雅!別の意味でオチちゃってるから。おばあさんに乱暴はよくないよ。」
「乱暴なんかしていない。ただ俺の大胸筋と上腕三頭筋が奏でるハーモニーに昇天しただけだ。さて、それじゃ探すか。」
手分けして瓦礫の中を探す4人。だが巨大なその山をいくら探しても全く見つからない。
「これはがむしゃらに探しても切りがないね。」
「ここにはないのでショーか?」
皆が諦めかけたその時
「あんたたち、探し物ってのは、これのことかい?」
意識を取り戻した老婆は凰雅の筋肉によって邪な心が消え、雨上がりの空より綺麗な目で聖母のような笑みを浮かべながら懐から一枚の四角いプラスチックの板を取り出した。
「見せてみろ。・・・わからん。だが極秘データ、と書いてある。これがそうなのか?」
「極秘データって書いてあるならきっとそうデース。」
「そんな馬鹿な。」
「おいババア、これをどこで見つけた。」
「ありゃぁあたしがいつも通り、町でまだ使えるものを探していた時のことさ・・・、」
「長くなりそうだな。手短にしろ。」
「ゴミ袋の中に入っていたよ。」
「そうか。これで俺たちの仕事は終わりだな。帰るか。」