3 ガソリンではなく

 ハゲの二階が連れてこられた。
 それから小泉の次男も。

「ガソリンでは食えなくなる」

 そこで黒猫鉄火面は、おりーブオイルを使った。
 遠火で一時間くらいかけてゆっくりコンガリ焼き上げてしまう。途中で急所に通電サービス。
 福島みずほ(帰化朝鮮人)は肉の具合がダルダル過ぎるので、煮込むことにしたらしい。

「調味料は韓国風と中華風」

 にわかに料理人に目覚めた黒猫鉄火面は、黄色い脂肪の肉をきりわけて、順番待ちの死刑囚たちに最後の晩餐に振る舞う。唐辛子とニンニク、それにメンマも添えられていた。

 アサバは人肉を食べて言った。

「ここはどこなのですか」

猫「黒猫鉄火面の処刑場だよ」

「私はどうしてこんなところにいるんでしょうか?」

猫「自分で考えてごらん」

「何かの間違いではないですか」

猫「そうなの? だとしても、手後れ。諦めろ」

「いやだ、帰りたい!」

猫「そう?」

 恐ろしい黒猫鉄火面から、頭と局部、こめかみとクリトリスに電気ショックされて火花が散る。全身に苦悶の電気が駆け巡った。
 激痛ショックで目が覚める。
 そしてふと現実に戻ると、押し入ってきた自衛隊に蜂の巣に射殺完了された、己自身の死体を見いだすのだった。

「そうだ、私は死んだんだ」

 幽体離脱の状態で見回せば、射殺死体がたくさん転がっている。
 みんな死んでいた。
 そこは出版社の編集室だった。