私は何となく心に残るものを感じながら、その後を追ったのだった。 ◇ 街灯が少しずつ灯り始めた頃、あれだけ降りしきっていた雨は止み夕景が広がっていた。どんよりとした雲も消え空は雲一つなく、私は水たまりの残る道を日野くんの隣を歩いていた。 「今日はありがとうね、五十嵐さん」 「ううん、気にしないで」 あれから雑貨屋を何軒か巡ったけれど、日野くんは無事食器を買い揃えることが出来たようだ。役に立てて良かった。