「オレンジと水色かな?」
「じゃあオレンジと水色にしようかな……」
彼はそう言うと近くのバスケットを取り、そこに持っていたお皿二枚と、水色とオレンジのマグカップを入れ始めた。
「え? な、何で? 日野くんの好きな色は?」
「俺、何色でもいいからさ。どうせなら五十嵐さんの好きな色がいいかなって」
並べられたマグカップのラインナップをよく見てみると、確かに日野くんの好きだと言う黒はない。好きな色じゃなかったら、もう何でもいいってことか。
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