―――やっぱり、お腹に何か入れておくべきでした。

 後悔先に立たず。
 その言葉の真意を実感したのは、夕闇迫る時間帯に差し掛かった頃。
 買い物帰りの主婦の姿も見当たらない、住宅街の一角。私は空腹のあまり、ぺたんと地面に座り込んでしまった。
 一応成人迎えた大人がこの様だ。
 本当、情けない。

 普段から馬鹿みたいに食べまくる癖に、どうして今日だけご飯を抜いてしまったのか。朝食・昼食抜きのまま1日通しで仕事なんて滅多に無いけれど、仕事の都合上、そうなってしまう事だってある。
 でもそんな時でも、いやそんな時でこそ、ポケットなり鞄の中なり常備品を忍ばせておくのが、鉄壁のマイルールだった。仕事中にお腹の音が鳴る、なんて事は避けたいからだ。

 それが。
 どうして今日に限って。
 何も無いんでしょうか。

 昨日、空腹に負けて全部食べてしまったからですね、ハイ。

 空腹くらいで、と思われるかもしれないけれど、私にとって空腹という症状は、もはや余命宣告を受けているのも同じ。餓死寸前の体は全く力が入らず、蹲る様にその場にしゃがみこんでしまった。

 やっぱり、無理やり時間を作ってご飯を食べておくべきでした。
 もしくはコンビニに寄って何か買ってこればよかった。
 しかしこの周辺にコンビニらしき建物は見当たらない。絶望でしかない。