車内に乗り込んですぐに、土産のコーナーで購入しておいたアクセサリーを彼女に手渡せば、驚きで目を見開いている水森の頬がまた赤く染まった。相変わらず笑みは無いけれど、嬉しがってるのは目と頬の具合でわかる。

 ご飯会の度に、彼女がパワーストーン系のブレスレットを身につけていた事には気付いていた。好きなのかと思ってターコイズのブレスを選んでみたけれど、予想以上の反応を貰えたから安心した。

 そうして思う。
 好きだなって、彼女への想いがこみ上げる。

 夕食も済ませたら、後はもう、彼女をマンションまで送り届けるだけだ。
 けどそのまま真っ直ぐ帰るのも抵抗があって、あからさまに遠回りな道を選んで運転する。

 わざとらしいよな、そう思うけれど。
 もう少し一緒にいたい、幼稚で我侭な望みがそのまま行動に出てしまった。

 水森もきっと、俺がしている事の意図に気付いてる。
 けど何も言わない。


 俺も、水森も、恋愛に関して鈍い方じゃない。
 お互いにどう思ってるか、思われてるか。
 もう既に気付いてる。
 水森も俺を好いてくれている。と、思う。

 あとは口に出すタイミングだけど、これが正直迷う。
 本当は今日伝えたいけれど、いきなり告白しても困らせるんじゃないかと、ネガティブな思考が決意を迷わせていた。