◆◇◆◇
寮の部屋に着いたとたん、ドッと疲れが出た。
風呂に入る気にもなれず、着替えを済ませると、そのままベッドの上で大の字に寝転んだ。
あのままカラオケへ流れて行った充は、まだしばらく帰って来ることはないだろう。
一緒に帰っていたとしても、ただ煩いだけだが。
「どうすっかなあ……?」
朋也はひとりごちながら、誓子から貰った携帯番号が書かれたメモを凝視した。
ちょっとだけ、捨ててしまおうか、なんてことも思った。
だが、ゴミ箱に入れようとしたとたんに罪悪感を覚え、結局は捨てず、自分の携帯電話に新たに登録までしてしまった。
朋也の携帯番号も、誓子に教えた。
正直、あまり気は進まなかったが、自分だけ誓子の番号を知っているのはフェアじゃないのでは、と考えたからだった。
誓子には、『そこが真面目なのよ』と笑われてしまった。
「付き合う、かあ……」
ポツリと朋也が漏らした瞬間だった。
ピコピコピコ……
ヘッドボードに置いていた携帯電話が鳴り出した。
朋也は飛び上がらん勢いで半身を起こす。
そして、携帯に手を伸ばし、ディスプレイに注目した。
誓子からだと思った。
が、違った。
表示されていた名前は〈山辺涼香〉。
意外といえば意外な人物だ。
携帯は鳴りやまない。
朋也は少し躊躇ってから通話に切り替えた。
寮の部屋に着いたとたん、ドッと疲れが出た。
風呂に入る気にもなれず、着替えを済ませると、そのままベッドの上で大の字に寝転んだ。
あのままカラオケへ流れて行った充は、まだしばらく帰って来ることはないだろう。
一緒に帰っていたとしても、ただ煩いだけだが。
「どうすっかなあ……?」
朋也はひとりごちながら、誓子から貰った携帯番号が書かれたメモを凝視した。
ちょっとだけ、捨ててしまおうか、なんてことも思った。
だが、ゴミ箱に入れようとしたとたんに罪悪感を覚え、結局は捨てず、自分の携帯電話に新たに登録までしてしまった。
朋也の携帯番号も、誓子に教えた。
正直、あまり気は進まなかったが、自分だけ誓子の番号を知っているのはフェアじゃないのでは、と考えたからだった。
誓子には、『そこが真面目なのよ』と笑われてしまった。
「付き合う、かあ……」
ポツリと朋也が漏らした瞬間だった。
ピコピコピコ……
ヘッドボードに置いていた携帯電話が鳴り出した。
朋也は飛び上がらん勢いで半身を起こす。
そして、携帯に手を伸ばし、ディスプレイに注目した。
誓子からだと思った。
が、違った。
表示されていた名前は〈山辺涼香〉。
意外といえば意外な人物だ。
携帯は鳴りやまない。
朋也は少し躊躇ってから通話に切り替えた。