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 翌日、仕事が休みになっていた朋也は、午前中は部屋で過ごし、昼近くになってから外に出た。
 本当は丸一日寝ていたかったが、ダラダラするのも身体に良くない。
 それに元々、少しでも身体を動かしていないと落ち着かない性分なのだ。

 ちなみに、同室の充は仕事だ。
 しかも今日は早番らしく、五時半には出て行ってしまった。

 朋也もその時間帯に一度は目を覚ました。
 しかし、眠気には勝てず、そのまますぐに寝入ってしまった。
 何となく、夢と現の境の中で充を見送った記憶はある。

「とりあえず、メシでも食ってくるか」

 朋也はひとりごちると、財布と携帯電話を手に取る。

 ふと、外の気温が気になった。
 春になり、雪は融けたものの、日中でもまだ肌寒さを感じる。

 朋也は少しばかり考えたが、結局、やせ我慢する方が馬鹿馬鹿しいと思い、薄手のブルゾンを纏った。
 もし、暑ければ途中で脱げばいい。
 荷物にはなるが、極端にかさばるものでもないし、寒い思いをするよりはだいぶましだ。