ふい、と俺から視線を外した雨宮は、おもむろに机の横に右手を伸ばした。

 フックに引っ掛けてあるトートバッグの中を手探りでがさごそと軽く荒らし、取り出したのはギンガムチェックの柄が入った巾着袋。

 それが何なのか、中に何が入っているのか、俺はすでに知っていた。と言うか、おそらくクラスメイトの大半が知っている。

「そもそも、聞くまでもないことでしょ。字が綺麗で読みやすいから、これはまさに雨宮専属のノート係に適任だって思ったんだよ。自覚ある?」