“字が綺麗で読みやすいから、これはまさに雨宮専属のノート係に適任だって思ったんだよ”

 ついさっき聞いた言葉が蘇る。

 褒められたのにそれを素直に受け取れないのは、余計な感情が混ざり込んでくるからだ。その感情、と言うより想像の正体は、何となく見当はつくけど認めたくはなかった。

 今は、曖昧なままにしておいたほうがいい。何でもかんでも白黒はっきりさせなくたっていいだろう。でも、苺味の飴玉を他の奴にもあげているのかいないのか、そこだけはやっぱり気になる。

 そんな風にごちゃごちゃ考えていたら、やけに疲れてしまった。疲労感を感じる休み時間。まるで矛盾している。休み時間なのに全然休めていない。

 はあ、と今度は大きなため息を1つついて、俺は再び机に突っ伏した。