ある日の休み時間のことだった。
トイレを済ませて教室へと戻る途中、廊下で立ち話をしている雨宮の姿が見えた。
「これありがとねー!助かった!」と他のクラスの友達らしき女子に言いながら、日本史の教科書を手渡していた。おそらく、教科書を持ってくるのを忘れた雨宮は慌てて他のクラスの友達に借りに行って、そしてそれを返している最中だったのだろう。
その腕には例の巾着袋がぶら下がっていて、教科書の上には飴玉がころんと乗っていた。
「出た、飴配り」とその友達にも案の定茶化されていた。
ただ、飴玉は、表紙が黄土色の日本史の教科書と若干同化していた。小袋の色が、黄色だったからだ。
トイレを済ませて教室へと戻る途中、廊下で立ち話をしている雨宮の姿が見えた。
「これありがとねー!助かった!」と他のクラスの友達らしき女子に言いながら、日本史の教科書を手渡していた。おそらく、教科書を持ってくるのを忘れた雨宮は慌てて他のクラスの友達に借りに行って、そしてそれを返している最中だったのだろう。
その腕には例の巾着袋がぶら下がっていて、教科書の上には飴玉がころんと乗っていた。
「出た、飴配り」とその友達にも案の定茶化されていた。
ただ、飴玉は、表紙が黄土色の日本史の教科書と若干同化していた。小袋の色が、黄色だったからだ。