広綱の屋敷を後にした四郎と一八は、すっかり日の暮れた道を、明かりもなしに歩いていた。

「どうするんで?」

「さてさて。放っておきたい気もあろうがの。姉姫様のご機嫌次第……」

 楽しむような口調で、四郎が答える。

妖女姫(あやめひめ)様ですかい。確かに、事が事だけに、四郎の力が必要となりましょうな。わっちじゃ四郎は使えぬし」

「姉姫様にとっても、興味深い話であろ」

 闇の中を二つの陰は、危なげない足取りで紫野のほうへと消えていった。