他に誰もいない部屋を出て、鍵をしめる。


歩きにくいタイトスカートと、窮屈なスーツに身を包み、駅まで向かう。


混雑する駅のホーム。

響く、発車アナウンス。


──ああ、今日も駄目だった。


目の前で止まる電車を見て、ため息をひとつ。


私は諦めて、車内へ足を踏み入れた。


満員電車に揺られて、高いヒールを地面に必死に付ける。

倒れてしまわないように。



もう疲れたのに、まだ生きるよりも死ぬほうが怖い。


その感情は、私にとって不幸なものだった。