「私は………。
囲之先輩の事好きじゃないです!! 囲之先輩と付き合いません!! 囲之先輩じゃない人と付き合います!! 夢の通りになんかしません!!!」

「…」

「嘘です……。
囲之先輩が好きです……」

「……嘘……」

「そうです……。
囲之先輩にショックを与えたくて嘘つきました……。
でも私は謝りませんよ? 囲之先輩のついた嘘で苦しめられたんですから」

「ごめん……。
ごめん………」

「囲之先輩……」

俺は寺苑に右手を差し出す。

「もう苦しめないから……。
俺の手を握って下さい……」

俺は夢の話を信じてないけど。

俺が良い事を起こして見せるから。

「…信じます」

寺苑の左手が俺の右手を握る。


俺と手をつないで一緒に歩こう。