「仕方ないだろ。
俺に近づくために、夢の話をしてきた女だと思ったんだから」

「私が囲之先輩に好意を持ってたと?」

「違うのか?
俺の顔、タイプなんだろ?」

俺に好意があったんじゃないか?

「………好きな顔ではあります……。
認めます!!
でもまだあの時は好きじゃ」

「今は好きなんだな。
俺の事」

好きだな?

「言っ…た……じゃないですか……。
風揶…先輩が……良か…ったって」

「俺が好きなんだよ。
俺が寺苑を好きなように」

俺は夢の話を信じてない人。

俺は素直じゃない人。

俺は嘘をついた人。


でも寺苑に対する気持ちに、嘘はついていない。