俺は卒業式を終え、両親や友人、後輩達に祝福されると、その中に居なかった彼女が居るであろう1年C組の教室へ向かった。


居た。

1年C組の教室の扉を開けると、扉側に体を向けて席に座っていた彼女が居て、俺の顔を見るなり、不機嫌な顔をした。

待たせすぎたか……。

「待たせたな」

「待ってません!」

彼女はそう言って席から立ち上がると、俺の前まで来て

「待ってるわけないじゃないですか……。
私の夢の話を信じない人なんか!!!」

待たせすぎ…ただけじゃないな……。

確かに俺は、彼女の話を信じていない。