まず、琴葉が気になった。

俺が事故死して平気でいられるわけがない。

琴葉!

俺の脳裏に琴葉が危険な目に遭う姿が映し出された。

ヤバい!

俺は仮の姿の男性から抜け出して琴葉の元に飛んだ。
えっ?すげえ、

その時、目の前で琴葉が横断歩道を渡ろうとしていた時、車道の信号は赤なのに、突っ込んで来た車がいた。

「琴葉、危ない」

俺は咄嗟に琴葉を抱き上げて、歩道へ下ろした。

琴葉は咄嗟の出来事に戸惑いを隠せずにいた。

しばらくして琴葉は二度目の危険な状態にあった。

ほんとに不思議だ、脳裏に浮かんでくる。

またしても琴葉の窮地を救う事が出来た。

この時は仮の姿のまま、現場に向かった。

久しぶりに琴葉と肩を並べて歩いた。

でも琴葉の瞳に写ってるのは俺じゃない。

いまだに琴葉は俺の死を知らない。

スマホが繋がらないと不信感を募らせている状態だった。

俺は仮の姿のままこれ以上琴葉と一緒にいる事に危機感を感じた。

まず、俺への不信感を取り除く。