「今日は修学旅行の班決めをする、5、6人のグループを作って。」


先生の合図で一斉に生徒達は親しい友人のもとに走る。
そして周りを見渡し自分と同じ属性の元にいき交渉しグループが出来上がる。
あっという間に仲良くなる。でもそれは社交性があればの話。


「椛(もみじ)ちゃん一緒のグループに入る?」



自分の名前を呼ばれてそこでハッと気づく。
周りを見渡すと既に何個かグループが出来ていて私だけがまだ何処にも属していない。先生もこちらに目を向けている。あがり症な自分はこう言う場面に出くわすと極度に緊張してしまう。


「うん、ありがとう。」


なるべく平然を保ち、笑顔を繕う。
そして、先生は私を一瞥し興味が無くなったように黒板に書き物を始めた。