俺はひっそりと心待ちにしていることがある。
それは夜中12時から3時までの、あの時間。夜唄と話す時間だ。夜唄と会話をすることは一つの習慣化となった。知っているのは年齢と女子校に通っていること、大阪に住んでいること。俺も同じことしか知らない。本名なんてネッ友なのに烏滸がましいというか、なんというかで聞けていない。俺たちは大した話はしない。もうすぐテスト期間だ、とか、学年何番だった、とか、友達が告白された、だとか。