エマと月城が付き合ったことはすぐに学年中に広まった。
エマと月城どちらかが廊下を歩くと必ずチャイムが鳴るまでからかいの声が鳴り止むことはない。
時には先生にもお付き合いするのはいいけど、程々にねと、なぜか注意されることもある。
けれどエマも月城も嫌がっているようには見えなくて、むしろ幸せそうだった。
エマが幸せそうにしているのを見ている私も幸せになる気がする。
エマは月城と付き合っても私と一緒にいてくれる時間はほとんど変わらない。それが唯一の救いなのかもしれない。
今ならあの時よりもずっと心の底から祝福できる気がする。


「エマ、おめでとう。エマと月城のこと応援してるよ。」

───── ずっと。エマのこと好きだった。