問題となる二羽の件については、友人は何やら知っているかのような素振りを見せたが、完全にはぐらかされてしまった。その流れで木に引っかかったボールを取りに行く羽目になってしまった。
何だろう。二羽とこいつは何か裏でしているのではないかと勘ぐったりしている。例えば僕をからかうための裏仕掛けとか。……いや、二羽もこいつも平然と僕をからかっているな。全然気にしてなかったけども。
それじゃあ一体何だろう。何か決定的に意識しなければならない事が欠けている感じ、一体なんだ。
「お、もうこんな時間じゃねえか」
友人が突然声を上げる。友人の見ている方を向くと、時間は5時半の所を校舎に張り付けられたアナログ時計がお知らせしていた。
「それじゃあ、俺帰るわ。じゃあな!」
「え、ちょっと待て!」
と、言い終える前に友人は颯爽と学校のカバンを背負って颯爽と走り抜けてしまった。早い。というか急にキャッチボールしようとか言い始めて急に帰って行ってしまった。
キャッチボール自体は別に楽しかったけど、今日のは何か始まりと終わりが不自然すぎて心の底から楽しめなかった。
「……僕も、帰るか」
モヤモヤした感情を抱えつつも、ここにいては仕方ないので素直に帰宅する事にしよう。そうして、家でゆっくりじっくりと過ごそう。
今日の事は何も考えないでおこう。
そして、靴置き場に着いた僕は、靴箱から自分の靴を取り出している時に、意外な相手から声を掛けられる。
「ひ、一葉!」
「え、……二羽さん?」
二羽が声を掛けてきたのだ。というか、何で一人なんだ?
「そ、そのさ……えっといつも話に乗ってくれたりとかさ、ちょっと調子乗って失敗してもフォローしてくれたりさ、そのさ、なんていうかそのさ、その……えっと」
何だろう。二羽とこいつは何か裏でしているのではないかと勘ぐったりしている。例えば僕をからかうための裏仕掛けとか。……いや、二羽もこいつも平然と僕をからかっているな。全然気にしてなかったけども。
それじゃあ一体何だろう。何か決定的に意識しなければならない事が欠けている感じ、一体なんだ。
「お、もうこんな時間じゃねえか」
友人が突然声を上げる。友人の見ている方を向くと、時間は5時半の所を校舎に張り付けられたアナログ時計がお知らせしていた。
「それじゃあ、俺帰るわ。じゃあな!」
「え、ちょっと待て!」
と、言い終える前に友人は颯爽と学校のカバンを背負って颯爽と走り抜けてしまった。早い。というか急にキャッチボールしようとか言い始めて急に帰って行ってしまった。
キャッチボール自体は別に楽しかったけど、今日のは何か始まりと終わりが不自然すぎて心の底から楽しめなかった。
「……僕も、帰るか」
モヤモヤした感情を抱えつつも、ここにいては仕方ないので素直に帰宅する事にしよう。そうして、家でゆっくりじっくりと過ごそう。
今日の事は何も考えないでおこう。
そして、靴置き場に着いた僕は、靴箱から自分の靴を取り出している時に、意外な相手から声を掛けられる。
「ひ、一葉!」
「え、……二羽さん?」
二羽が声を掛けてきたのだ。というか、何で一人なんだ?
「そ、そのさ……えっといつも話に乗ってくれたりとかさ、ちょっと調子乗って失敗してもフォローしてくれたりさ、そのさ、なんていうかそのさ、その……えっと」