「いいなぁ須賀君のもふもふお手手……」


理穂がうらやましそうにあたしを見ている。


あたしの心臓はドキドキと早鐘を打っていた。


突然至近距離で熱を測るなんて反則だよ!


「でもさぁ……」


ふいに理穂が真剣な表情になって須賀君へ視線を向けた。


その顔はとても難しい哲学にぶち当たった哲学者のそれのようだった。


「どうして須賀君ってスカンクなの?」


その一言に教室中が静まりかえった。


さっきまでおしゃべりに興じていたとは思えない静けさに、冷たい汗が流れていくのを感じる。


須賀君は小首を傾げ毛量の多いもふもふなしっぽを左右に揺らした。


「スカンクなのに制服着てるし、二足歩行だし、普通に学校来てるし」


理穂から発せられる超現実的な言葉にあたしは手で両耳をふさいでいた。


それは言わないで!